2025.5.31~6.1【木曽路ハイク・恵那山】報告 木村博子
馬籠宿の展望広場。晴れていれば、恵那山の立派な山容を観ることができます。
「木曽路はすべて山の中である。」この有名なフレーズで始まる「夜明け前」の作者・文豪の島崎藤村は、1872年に馬籠宿で本陣・庄屋・問屋を兼ねていた島崎家に生まれました。
▼日時 : 2025年5月31日(土)~6月1日(日)
▼ 天 気 : 31日 晴れ 1日 曇り時々晴れ
▼ レベル: 5 やや健脚向き
▼担当 リーダー : 木村博子(投稿)
▼共同 リーダー : 下倉章治
▼協力者 : 宮永基久
▼参加者 : 24名(男性3名、女性21名)
▼行動時間 : 31日 約5時間(休憩時間含) 1日 約9時間50分(休憩時間含)
▼コース : 31日 JR南木曽駅10:40=妻籠10:47→雄滝・雌滝12:20~12:40(昼食休憩)→馬籠峠13:30→馬籠宿14:10→大黒屋茶房14:20~14:40→馬籠館15:45=萬岳荘16:45(泊)
1日萬岳荘5:10 →神坂峠5:30→鳥越峠6:20→大判山7:30→天狗ナギ8:30→恵那山頂避難小屋11:05~11:30(昼食休憩)→恵那山11:45→恵那山広河原登山口14:30→峰越林道ゲート駐車場15:00=中津川駅16:00解散
妻籠宿は、全国に先駆けて町並みの保存運動が行われ、1976年に日本で最初の国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
江戸時代には中山道と伊奈街道が交わる交通の要衝として栄えた「妻籠宿」の景観を楽しみながら歩きました。
脇本陣奥谷。代々脇本陣・問屋を務めた家で、国の「重要文化財」に指定されています。島崎藤村の初恋の人と言われる「ゆふ」さんの嫁ぎ先でもあります。
妻籠の人たちは町並みを守るために家や土地を「売らない・貸さない・壊さない」を中心とする住民憲章をつくり、ここで生活しながら、江戸時代の町並みという貴重な財産を後世に伝えています。
男滝・女滝 木曽に街道が開かれて以来、旅人に名所として親しまれ、憩いの場所でした。
男滝(左)・女滝(右)
滝壺に金の鶏が舞い込んだという伝説が伝わっています。吉川英治著「宮本武蔵」の舞台にもとりあげられています。
滝を観ながら、目に眩しいぐらいの新緑の中を歩いていきます。時々心地良い風も吹き、爽やかに歩くことができました。
サワラ大樹(神居木) 昔から神様が休む場所と信じられ、傷付けたり切ったりすると祟りがあると伝えられてきました。
「東海道中膝栗毛」の作者 十返舎一九の狂歌碑。
渋皮のむけし女は見えねども栗のこはめしここの名物
馬籠宿の展望広場で集合写真。残念ながら、恵那山は雲の中にあります。
藤村記念館。島崎藤村の生家跡に建つ文学館で、馬籠宿本陣跡でもあります。火災を免れた隠居所は江戸期の建物として日本遺産に指定されています。
大黒屋。島崎藤村の初恋の人「おゆふさん」の生家で、前身は造り酒屋。「夜明け前」執筆の資料ともなった「大黒屋日記」は、この店の10代目が記したものです。
大黒屋茶房さんで、栗おこわ定食をいただきました。
本日の宿である萬岳荘に到着。管理人の原さんは、山岳ガイド、星空ガイドもなさるそうです。ユーモアたっぷりのお話を伺うことができました。
萬岳荘の内部。管理人さんがきちんと管理してくださっているので、とても綺麗でした。寒かったのですが、ストーブを何個かつけてくださり、暖かく過ごすことができました。
2日目。恵那山の山頂を目指して出発です。管理人の原さんが2階のバルコニーから見送ってくださいました。
マイヅルソウ。葉の形が、鶴が羽を広げて舞を踊っているように見えるので「舞鶴草」と呼ばれています。
淡いピンク色のシャクナゲ。咲いてくれていて良かったです。シャクナゲを目にするのは今年初めてです。
天照大御神が誕生した際に、その胞衣(えな)をこの山に納めたことから、恵那山という名が付いたといわれています。
山頂避難小屋から少し歩き恵那山山頂に到着。山頂での集合写真です。
恵那山広河原登山口に無事到着。ここから30分ぐらい林道を歩き、峰越林道ゲートからマイクロバスに乗車し、中津川駅で解散しました。
リーダーコメント
一日目は、中山道の妻籠宿から馬籠宿まで歩きました。中央山岳地帯を進む中山道は峠道が多く、今回は馬籠峠を越えました。眩しいぐらいの新緑の中を歩くことができ楽しい時間を過ごすことができました。妻籠宿は江戸時代の建物が多く残っており、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を体感できました。火災に遭っていないため、歴史的な景観がそのまま保存されています。馬籠宿は、石畳が敷かれた坂に沿う宿場町で、水車と石畳によりとても趣のある街並みを作り出していました。また、この地が生んだ文豪・島崎藤村の生家跡(本陣)も資料館として馬籠の歴史を伝えています。
二日目は、中央アルプス最南端の山で長野県と岐阜県の県境、中津川の市街地を見下ろすように聳えている恵那山を目指しました。神坂峠から千両山、鳥越峠、大判山を経て恵那山に向かう神坂峠ルートはアップダウンの激しいルートでコースタイムも5時間と長く、厳しかったと思いますが、暑くも寒くもなかったので順調に歩くことができました。恵那山の山頂からは広河原登山口を経て、峰越林道ゲートまで歩く広河原ルートで下りました。広河原ルートも危険な箇所はありませんが、傾斜が急なため滑らないように慎重に下りました。
心配していた雨にも遭わず、共同リーダー、協力者、参加者の皆さん方の御協力により、2日間の山行を楽しく無事に終えることができました。ありがとうございました。心より感謝しております。 木村博子
2025/6/5 木曜日 at 20:24
お世話になりました 馬籠 妻籠の宿場町
一度行きたいと思っていました 火災にもあわず町民の皆様の努力で残っているのですね
島崎藤村の生誕地とか知りませんでした 今回詳しく教えて頂き有難うごさいました 恵那山の由来も面白かったです 管理人さんも楽しい方でした 星空が観えたなら詳しく説明して下さったろうに残念でした 休憩を含めたとはいえ10時間 よく歩いたなと自分を褒めたいです
2025/6/7 土曜日 at 10:02
儀俄さん
ご一緒できて楽しかったです。
心配していた雨も降らず、新緑の美しさを観ながら、妻籠宿、馬籠宿を歩けて本当に良かったですね。恵那山も、ハードなルートにもかかわらず、皆さん元気に歩いてくださり、どなたも怪我することなく下山でき、感謝しています。ありがとうございました。